夜明け前

その時その時で

アルケミスト

後輩の男の子が自分から死にしました。

よく一人でお店に来てくれていました。

受験生で、先日成人式を終えたところでした。

背が高くて整った顔立ちをしていて頭が良くて、オシャレなこでした。

バイトして手に入れた古着や靴なんかを見せてくれては嬉しそうにしていて

お父さんのこともお母さんのことも尊敬していて

将来、大好きな人と赤ちゃんを産んでいいパパになるんだーとかたまに口にしてました。


ずっと抗うつ薬を飲んでたって聞きました。
知りませんでした。

お店に来てくれたら何か察することができたかもしれなかったな、とくやみました。

顔を見に行きました。

いつもかけてたオシャレなメガネが棺桶の上に置かれてるのが不思議でした。

ふさふさなまつげがそのままで髪型もきまってました。

彼のお母さんはずっと泣きながら最近のことを話してくれました。

ネガティブな思考が止まずに希望が見出せなくれ明るい未来が信じられない状態に身覚えがあったから自分と重ねてみました。


わたしが今死んだら エビみりんせんべいとかポン菓子とかいつもかけてるメガネとかそばにおいてたぬいぐるみとかまわりにおかれるんだろうか。


くるしいのはなくなったのかな。なくなったならいいな。

もし後悔してたらたまに身体貸すからかりにおいでよ。




家に帰ってきてから以前書いた遺書を読み返してみました。


もう忘れてたこととかもあってかいてよかったなとおもいました。

ネガティブな意味ではなくもしものときにはまわりの人のためにも気持ちを伝える言葉を残しておくのはいいことだと思います。

彼が味わえなかったかもしれない今'っていう意識が抜けないまま過ごしています。

お風呂あがりのお水は何よりも美味しいし、床屋さんの赤青白のマークの意味を知りました。
行ってみたい図書館があるし昨夜の星空はアルデバランが綺麗だったよ。